2014年12月31日水曜日

ブランデンブルクから1812年まで

今年の正月に、バッハのブランデンブルクを聞きたいな、と思ってかけたのをきっかけに、
朝は家にあるクラシックのCDを片端から聞いてきた。

「クラッシック」の中身は、グレゴリオ聖歌から高橋悠治まで、いろいろである。
大体、同じCDを2回聞くようにして、中には3回、4回と聞いたものもあるし、
1回でこれはもういいね、となったのもありで、大体160枚以上聞いた勘定になるが、
まだラックにはCDが残っている。

とりわけ印象深かったのは、アバド指揮、ポリーニ独奏,、ベルリン・フィルの
ベートーベンピアノ協奏曲
ライブ盤なのに、完成度が高く、何度でも聞きたい名盤だった。

我が家ではいま、ステレオを聞くのに最適の位置に夫のベッドを置いているのだが、
この第2番は、音に敏感な猫たちが夫の脚の間に陣取ってずっと聞いていたくらいだ。

CDの中には私がヴァイオリンのお手本用に購入したものもけっこうあり、
同じ曲が思いがけずあっちにもこっちにも入っていたりして、
聴き比べの楽しみもあった。

大晦日の今日巡ってきたのは、小澤征爾指揮、ベルリン・フィルの
チャイコフスキー 交響曲第5番と序曲1812年
このところヴァイオリンや室内楽が続いていたので、
しっかりしたオーケストラを聞けて気分が良かった。
「1812年」を聞きながら、「フランス人はこの曲をどう思うんだろうねえ」
などと夫と話しながら、ストレッチをしたり朝食の世話をしたり。

一昨年、昨年は、病気の進行で身体の可動範囲、呼吸の苦しさがどんどん変化し、
それに合わせて日常の動作もいろいろ工夫しなければならず、
「いつもこう」という手順が決まることはなく、数日~数週間でやり方が変わっていたが、
今年は年明けからベッド生活になったこともあり、また体調も安定していたので、
朝の時間の過ごし方も「ルーティン」と言えるようなものができ、
毎日こうして音楽を楽しむことができた1年だった。

この先どう変化していくのかは予想がつかないけれど、
なんとかまた迎えられそうな新しい年が、穏やかであって欲しいと思う、
2014年の大晦日である。

2014年12月29日月曜日

餃子忘年会

年に何回かタンゴ仲間と開いている餃子の会。

12月は初旬が忙しい人、押しつまると時間がない人、週末が仕事の人
いろいろ都合を合わせるのが難しく、結局28日に人数少なめで忘年会を開いた。
当日横浜でミロンガを開いていたとしゆきさんにも声をかけておいたところ、
最近としゆきさんにダンスを習い始めたオルケスタYOKOHAMAのメンバーも
急遽参加してくれたので、初顔合わせ同士の方もあり、賑やかな会になった。

今回はいつもの餃子包み隊が欠席だったので、早く来た人で餃子を包む。
Rueda de Tango の二人が今年始めた菜園で収穫した野菜を
餃子の餡に入れてくれたので、しっかりした味の餃子ができた。




  


他には、野菜マリネ、スペアリブと大根の煮込みを作り
お持たせの焼売、生活クラブの中華ちまきなど、美味しく頂いた。




食事とおしゃべりをひとしきり楽しんだあとは、
Kさんのスペイン北部~ポルトガル旅行のプレゼンを見る。
美味しそうな料理、美しい景色、すてきなホテルの部屋に皆が感嘆の声を上げる中、
「この線路は高速なんだ」「この車両は○○系だ」
と一味違うコメントを連発する人、約1名。。。


デザートは、Tさんがロンドン出張でゲットしてきた現地直送クリスマス・プディング。

 

濃厚なフルーツケーキをギュッと固めたようなもの。
「電子レンジで温めてブランデーをかけて火をつける」
という指示に則り、随分以前に買ったままにしていた製菓用のブランデーを取り出してやってみた。


私は点火していたので、撮影はTちゃん。
このあと周囲に落ちたブランデーの上を、青い炎がぐるぐる回って、
クリスマスにふさわしい、ミステリアスな感じだった。

日曜日で終バスが早かったため、あまりゆっくりしてもらえなかったけど、
出かけていけない私たちのために、決して便利なところではない我が家まで来て
楽しい時間をプレゼントしてくれる餃子の仲間たちに感謝である。

これに懲りずにまた来てね。

2014年12月11日木曜日

Midsummer Night's Tango 白夜のタンゴ



Yesterday, I went to see a movie for ther first time in a long while.
http://documentaryedge.org.nz/2014/wgtn/film/midsummer-nights-tango

It's a documentary film about 3 Argentinian tango musicians traveling Finland to check out the notion that tango music was born not in their own country but in Finland.
I thoroughly enjoyed it for several reasons.
It was a good example of intercultural communication experience which is my expertise.
It featured scenes that stimulated my interests as singer, musician and dancer.
Music was nice---both Finnish and Argentinian.
If you are tango lover solely in the sense of listening to the music or dancing at milongas, this film may not be so interesting.  Come to think of it, it was perfect for a person like me.

My favorite part was early in the film where they presented what tango in Argentina is like.
They didn't use the stereotype scenes of tango shows or milongas or Caminito.
Sure, the essence of tango is not in the appearance.

昨日久しぶりに映画館に行った。
夫が病気になってからは本当に時間がなくて、
あったとしても、たいていの上映時間は都合が悪くて、もう無理だとと思っていた。

ドイツ、アルゼンチン、フィンランド合作の「白夜のタンゴ」
奇跡的に私が行かれる時間の上映の日があったので行ってきた。

「タンゴはフィンランドで生まれたんだよ」という説を確かめに
3人のアルゼンチンのミュージシャンがフィンランドにやってきて。。。
というロードムービー的ドキュメンタリー。

アルゼンチン・タンゴの音楽を聴くだけの趣味の人や
ドレスに着替えてミロンガに行くのがタンゴだと思ってる人には
ピンと来ない映画かもしれないけど、
私にとっては、これまで見たタンゴの映画の中で
もしかすると一番面白かったかもしれない。

というのも、比較文化学や異文化間コミュニケーションという
私自身の専門の目から見て、アルゼンチンとフィンランドの人たちの交流や
それぞれの文化におけるタンゴのあり方がとても興味深かったし、
私も少しは楽器を弾くので、ミュージシャンのやりとりやセッションは
文句なしに面白いし、歌もやっていたから、歌のレッスンや、
歌手の人の話も示唆に富んでいた。
そして、私もタンゴを踊るから、ダンスの面でのタンゴのシーンもまた楽しめた。

要するに、「よくわからないなあ」というところがなくて、
楽曲はみんな美しいし、いい時間を過ごさせてもらった気がした。

友人に「タンゴを知らないと面白くない映画かしら?」
と聞かれて、「音楽が好きなら十分楽しいと思うよ」と答えたのだが、
もう少しよく考えてみると、やはり異文化の出会いの部分が面白かったと思うので、
「文化とその中での音楽の存在と役割について興味のある人に面白い映画だ」
というほうがあたっているかもしれない。

夫と一緒に見られれば、さらに何倍も楽しかっただろうと思うけれど、
見ることができてよかった、と思える映画だった。

2014年12月8日月曜日

郵便投票

久々の更新。

うかうかしているうちに、師走。
そして、衆議院選挙である。

夫のように障害者だったり要介護度が高く外出できない人には
郵便投票という制度がある。

ALSの人でもこの制度を知らない人がいるみたいなのだが、
うちの場合は確か、区役所の人に窓口で教えてもらった。
前回総選挙になったときで、あの時も急に解散したからあまり時間がなかったけど、
選管の人ががんばって「郵便等投票証明書」をスピード発行してくれたので、
無事に郵便で投票することができた。

この「郵便等投票証明書」を持っている人は、選挙の都度、
投票用紙の申請書とこの証明書を同封して選管に送ると、
選管から投票用紙と返信用の封筒が送られてくるので、
用紙に記載して指定の二重封筒に入れ、外封筒に住所氏名を書いて、返送する。

投票用紙と外の氏名は自筆と決められていて、
それができない人は代理記載を認めてもらって行うことができる。
(上のリンクの下の方に詳しい説明アリ)

夫の場合、去年の参院選の段階で、一人でペンを持つのは難しかったので
この制度を使おうとしたのだけど、夫はいま「四肢1級」という障害で、
代理記載に該当するには「上肢1級」でなければならず、
障害の等級見直しの手続きは選管のようにスピード感がないので(通常1~2ヶ月)、
到底間に合わなかった。

次の選挙は2015年の統一地方選だから、それまで生きてたら手続きしようね、
と言い、そろそろ動こうか、と思っていたらこたびの解散である。

そもそも、「四肢」に「上肢」が含まれないのは日本語として変じゃないのか、
とか、ツッコミどころはいろいろあるのだが、法律をどうこういっても仕方がない。

当地の頑張る選管が、公示日前に申請書を送ってくれたので、
すぐに証明書とともに返送。
一昨日、投票用紙、候補者名簿、政党名簿一式が届いたので、今日記入して投函した。

ひと仕事終わってホッとする。

あとは、自分が投票に行くのを忘れないようにしないとね。